ワンポイントアドバイス

お子さんの検査や処置について

細菌検査について

中耳炎や副鼻腔炎の原因となっている細菌の種類や薬剤の効き具合(感受性)を調べるために行う大切な検査で、耳漏(耳だれ)や鼻汁を細い綿棒で採取します。急性中耳炎の場合耳漏から細菌を検出することが困難なこともあり、鼻咽腔(鼻の突き当たりののど)の細菌を調べることで代用します。なぜなら幼小児の鼻咽腔には細菌が常に住み着いており、風邪のとき増殖して悪さをするからです。 検査の結果は4~5日ほどでわかります。

中耳炎や副鼻腔炎の原因菌として多いのは肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリスの3つで、近年これら細菌の薬剤耐性化(抗菌剤が効きずらくなる)が問題となっています。

鼻処置について

ほとんどの急性中耳炎のお子さんでは副鼻腔炎が根底にあり、後鼻漏(鼻汁がのどヘ降りる)が確認できます。鼻・後鼻漏を早く停止させ、副鼻腔炎を治すためには鼻汁を十分に吸引・除去することが大切です。乳幼児にはガラス球管を使って吸引することが多いですが、可能ならば金属製の吸引管で鼻の奥まで吸引することもあります。

ネブライザー(吸入)治療について

前述の鼻処置を十分行い副鼻腔からの分泌物を取り除いて、更に鼻粘膜を収縮させ中鼻道(副鼻腔への通路)を開いてから行うとより効果的です。吸入液の中には抗菌剤とステロイド剤(抗炎症作用がある)が少量ずつ含まれていて上手に行うと霧状の薬剤が副鼻腔に行き渡り効果を発揮します。

鼓膜切開について

急性化膿性中耳炎では、鼓膜の奥に貯留した膿汁を早く流出させこれを吸引することで細菌量を減らし、より抗菌剤も効きやすくなります。何より直ちに痛みや熱が軽減します。鼓膜の表層は皮膚と同様で再生能力があり、切開した傷は(2~3mm程度)必ず治癒しますので心配はありません。ただし数日程度は排膿(耳だれ)が見られ、その間はなるべく清掃が必要です。

鼻洗浄について

急性中耳炎や副鼻腔炎のお子さんで、鼻のかめない乳幼児では鼻処置は大切な治療です。外来受診時には鼻汁吸引やネブライザーが行えますが、1回の処置では不十分ですので家庭での食塩重曹水による鼻洗浄をお勧めします。食塩重曹水を体温程度に温め鼻内にスプレーし、その後に鼻汁吸引器(ズルズルR、 ママスイトールRなど)で吸引するか鼻をかませます。この方法は鼻咽頭の病原菌を減らし、生体が本来備えている粘膜修復能力や抗菌作用を回復させる助けとなることが確認されています。当院では鼻洗浄液の処方や鼻汁吸引器の購入も可能ですのでお気軽にお尋ね下さい。

お子さんからご高齢の方まで

気になる症状がある場合にはお気軽にご相談ください